ある日、彼女とこんないちゃらぶ。ーOne Day Story

渚にて

旅先の朝、ゆあがホテルの窓辺で背伸びをしていた。 「ねえ、海、行こう」と、水着の上からシャツを羽織っただけの彼女が振り返る。眩しすぎて、目を逸らしてしまった。 波打ち際を二人で歩いた。 グラビアの仕事を辞めてから、彼女は少し自由になった気がする。 「もう、カメラないんだよ」と笑う彼女の横顔に、潮の香りが混じる。 「ねえ、見て」と差し出された貝殻を、僕の手のひらに乗せる。 その指先が、少しだけ触れた。 夕暮れのビーチで、彼女はシャツを脱いだ。 白い水着が夕陽に透けて、僕の心臓が音を立てる。 「…いつもと違うでしょ、今の私」 帰り道、彼女の濡れた髪が僕の肩に触れた。 ホテルまで、あと少し。その夜のことは、波の音だけが知っている。