プリン
放課後の教室で、美玖がチアの練習着のまま立っていた。
「忘れ物?」
「うん。ペンケース」
僕は自分の机で宿題を広げていた。美玖は窓際の席をごそごそ探している。夕陽が横から差して、薄い練習着が、なんというか、その。
「……見てる」
「見てない」
「嘘。目ぇ逸らした」
美玖がにやにやしながら近づいてくる。
「ねえ、見たい?」
「は?」
「おっぱい」
「いや待っ」
「いいよ、幼馴染でしょ」
意味がわからない。でも美玖は楽しそうに、練習着の裾に手をかけた。
「ほら——ぷりんっ」
揺れた。
「……っ」
「あはは、顔やば」
「お前なに」
「もっかいやろっか。ぷりんっ」
また揺れた。柔らかく、弾むように。美玖はけらけら笑っている。
「反応おもしろすぎ」
「いや、もう、いいから」
「えー、じゃあブラつけてからもう一回」
「なんで」
「違いがわかるかなって」
わかりたくない。いや、わかりたいけど。
結局、僕は最後まで見てしまった。美玖は満足そうに笑って、「じゃね」と帰っていった。
宿題は一問も進まなかった。